Wonderful DaysⅡ


魁さんからの質問に、間抜けな声で聞き返した私。

そんな私の反応に、溜め息を吐いた魁さんは


「お前は、俺の婚約者」


確認するように、言葉を続ける。


「はい、知っていますけど……」


「本当に、意味が分かっているか?」


「もっ、もちろん分かってますよ! 高校を卒業したら、けっ、けっ、結婚するんですよね?」


実際に“結婚”という言葉を口にするのは、思ったよりもかなり恥ずかしくて。

高校を卒業したら、魁さんと結婚する。

頭では理解しているけれど、想像しただけで鼻血モノの未来は、まだどこか夢のようで。

魁さんの奥さんになった姿を、頭の中で思い描いていれば


「大体、何で額の汗を拭くだけでそんなに緊張するんだよ?」


「え、だって……」


「もう、キスだってしてるのに」


「……っ……!!」


魁さんの不満そうな一言で、一瞬で、現実に引き戻された。


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