Wonderful DaysⅡ
“もう、キスだってしてるのに”
その言葉で甦ってくる記憶に、益々頬が火照ってしまう。
無言になった私の頬を撫でながら、ジッと見上げてくる魁さん。
何で、この状況でそれを思い出させるんですか!!
キスした時の唇の感触をリアルに思い出して、直視出来なくなった視線を少し逸らせば
「マリア?」
それを許さない魁さんが、私の名前を呼ぶ。
「あの~、その、えーっと……
い、今まで、兄さん達以外の男の人との接触があまりなかったので、そういう雰囲気に慣れていないと言うか……対処のし方が分からないと言うか……」
なんだか、自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
この年で、どんだけ男の人に免疫がないんだよ!って突っ込みが聞こえてきそうだけど。
反応が気になって、ちらりと魁さんを見れば
「……これは、マークさんに感謝すべきなのか?」
マーク兄さんがどうとか、小声でブツブツと一人呟いていた。
「………………?」
何で、ここでマーク兄さん?
言葉の意味がわからず、首を傾げていれば
「マリア」
「はい」
「慣れろ」
「……はい?」
単語で会話を始めた魁さんに、益々浮かぶクエスチョンマーク。