Wonderful DaysⅡ


“もう、キスだってしてるのに”

その言葉で甦ってくる記憶に、益々頬が火照ってしまう。

無言になった私の頬を撫でながら、ジッと見上げてくる魁さん。

何で、この状況でそれを思い出させるんですか!!

キスした時の唇の感触をリアルに思い出して、直視出来なくなった視線を少し逸らせば


「マリア?」


それを許さない魁さんが、私の名前を呼ぶ。


「あの~、その、えーっと……
い、今まで、兄さん達以外の男の人との接触があまりなかったので、そういう雰囲気に慣れていないと言うか……対処のし方が分からないと言うか……」


なんだか、自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

この年で、どんだけ男の人に免疫がないんだよ!って突っ込みが聞こえてきそうだけど。

反応が気になって、ちらりと魁さんを見れば


「……これは、マークさんに感謝すべきなのか?」


マーク兄さんがどうとか、小声でブツブツと一人呟いていた。


「………………?」


何で、ここでマーク兄さん?

言葉の意味がわからず、首を傾げていれば


「マリア」


「はい」


「慣れろ」


「……はい?」


単語で会話を始めた魁さんに、益々浮かぶクエスチョンマーク。


< 109 / 278 >

この作品をシェア

pagetop