Wonderful DaysⅡ


唇が重なったのは、ほんの一瞬。

この前のような気を失いそうなキスを想像して身構えていた私は、拍子抜けして体の力が一気に抜けた。

パチパチと瞬きを数回繰り返して見上げれば


「これ以上は、理性がぶっ飛びそうでヤバイ……」


何かを堪えるように、眉間を寄せる魁さんが低く唸る。

私に覆い被さるような体勢だった魁さんは、そのまま隣に寝転がると私を強く抱きしめた。

押し当てられた魁さんの胸からは、私と同じように早鐘を打つ鼓動が頬に響いてくる。


───魁さんの心臓の音も、すごく早い……


ドキドキしていたのは私だけじゃなかった事が嬉しくて、自分から魁さんの胸に擦り寄れば、ピクリと反応した腕に更に力が込められた。

その力強さが心地良い。

暫くそのままでいれば、「はぁ───っ……」と、大きく息を吐いて動かなくなってしまった魁さん。

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