Wonderful DaysⅡ
インフルエンザで寝込んでいたのに、無理をしてイギリスまで来てくれた魁さん。
この温もりが、どれだけ私を安心させてくれるのか身をもって知ってしまった。
“魁さんが大好き”
そう言えば……バタバタしてたから、まだ魁さんにちゃんと好きだって伝えていなかったなぁ。
明日、目が覚めたら伝えよう。
「魁……だぁい…すき……」
ふふっ。
思わず、笑みが零れる。
本人は眠っているけれど、魁さんを前にしてやっと声に出して言えた事に満足して瞼を閉じる。
「……っ……!!」
微睡みの中で、ぴくりと魁さんの肩が揺れたような気がしたけれど、もう一度目を開けるだけの力は残っていなかった。
「俺が必死に抑えているのに、無邪気に笑いやがって……襲うぞ」
意識が途切れる寸前に、魁さんの低く掠れた声が聞こえた気がした。