Wonderful DaysⅡ





(side:慧)


女の子との楽しいデートを終えて家に帰れば、門の近くに見慣れた漆黒の車が視界に映る。


───あれって、『神威』の車だよねぇ?


敷地内に入る前に車内をちらりと伺えば、運転席に座っている重盛君が確認できた。

こっちを見ていたから「やっほー」と手を振れば、ペコリと挨拶をしてくる重盛君。


「やっぱり、神威の車だ……って事は、葵君が来てるのかな?」


後部座席に人影はなかったから、きっと家に居るのかもしれない。

葵君が家まで来るなんて珍しいな……

たまには一緒にお茶でもしようと、少し急いで車庫に車を止める。


人数分のティーセットを用意して、魁君の部屋へ向かえば案の定、そこに居た葵君。


「いらっしゃい」


「あ、ご無沙汰してます。慧さん」


声を掛ければ、ペコッと挨拶をしてくる葵君はなんだか顔色が悪そうで。

声を掛けようとしたら


「お前、何だよ? その格好……」


ベッドの方から、呆れた声が飛んでくる。



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