Wonderful DaysⅡ


「……う……ん?」


重たい瞼を必死に持ち上げていけば、なんだかぼんやりと霞がかっている視界が広がっていく。

何とか自由になった手で目を擦っていると、その指を誰かに掴まれた。

……何?

中途半端に目を擦って、未だはっきりしない視界に瞬きを繰り返す。


「………………」


何で……
何で、こんな間近に魁さんの顔が見えるの?

寝起きの頭でぼんやりと考えてみたけれど、ぼーっとするだけでうまく働かない。

うん。やっぱり綺麗な顔だなぁ…なんて、しみじみ感じながら


「……か……い?」


魁さん? と舌っ足らずな声で呼んでみれば


「おはよう、マリア」


私を映し出したダークブラウンの瞳を細めて、ちゅっと触れるだけのキスを落とした魁さん。


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