Wonderful DaysⅡ
それを聞いた魁君は、額に手を当てて項垂れると深い溜め息を吐いた。
「それでイギリスに連れ戻されたのか……」
「イギリス!?」
魁君の呟きに反応したのは葵君だったけど
「…………」
それに答えない魁君は、苛立たしげに舌打ちをすると拳を握り締めた。
俺、もしかして……言っちゃいけない事、言っちゃった!?
自分の行動が間違っていたかもしれないと思うと、冷や汗が流れてくる。
早くしないと、イギリスはクリスマスホリデーに突入するから彼女を迎えに行くのは難しくなる。
どっちにしてもインフルエンザで未だ高熱が続いている魁君が動く事は出来ないから、年明けまではマリアちゃんに会えない事になっちゃったし。
───やばい…俺のせいだ……
思いっきり責任を感じながら、どうすればいいのかと思考を巡らせる。
俺が魁君の代わりにイギリスに行って、マリアちゃんを連れ戻してくるか?
「…………」
───絶対、無理だな。
そんな事、考えなくても結果がわかる。
間違いなく、門前払いだ。