Wonderful DaysⅡ
今日もイギリスは寒いけれど、今の私の心はポカポカとしていてとても温かい。
辺りを見回せば、クリスマスから一夜が明けて、眠っていた街は再び活気に溢れていた。
ふと、前から歩いて来るカップルを自然と目が追ってしまう。
───他の人達から見たら、私達もあんな風に見えているのかな……
仲良さそうに寄り添う二人は、とても素敵な恋人同士に見えた。
それを見送りながら、二人並んで歩いているけれど
「これから、何処に行くんですか?」
迷う事無く歩を進める魁さんは、何処に向かっているのだろうか。
イギリスに住んでいた頃は車の移動ばかりで、歩いて出掛けると言ったら近所の公園だけだった私には、此処が何処なのかさえ全く分からなくて。
「何処って……此処」
「え?」
魁さんが足を止めて指差した先に視線を流せば
「此処は……」
目の前に建つ大きな建物に視線が釘付けになった。