Wonderful DaysⅡ
何の打開策も無く、時間だけが過ぎていく。
マークさんは絶対無理だから、取り敢えずアル君に連絡を取ってみるか……
そう考えた俺は、スマホを取り出して電話帳からアル君の番号を指で触れる。
『Hello.』
ワンコールで出たアル君の声は、何故か不機嫌で。
「ハロー、アル君……って、何でそんなに不機嫌なのさ?」
マリアちゃんが居るっていうのに珍しい。
『ちょっとな……。それよりも、お前の弟に連絡がつかないんだが、何か知ってるか?』
「あー、多分、寝込んでたから電源切ってあったのかも」
『寝込んでる?』
「うん。インフルエンザ……あ……」
『──…インフルエンザ…?』
口にしてから気がついた。
魁君の病名がインフルエンザだなんて言ったら、間違いなく「マリアちゃんと接触してました」と言ってる様なもので。
『ふーん』
案の定、アル君からは意味深な「ふーん」が返ってきた。