Wonderful DaysⅡ
once again
◇
視界に広がるのは、5年前と全く変わらない壮麗な佇まいを持つ白亜の館。
「覚えているか?」
魁さんの問いかけに、あの日の記憶が鮮明に蘇ってきて視界が滲む。
「……もちろん…覚えています……」
感情が込み上げて、口からやっと出た言葉は震えていた。
「そうか……」
魁さんを見上げれば、ホッとしたように優しく微笑む。
「懐かしいですね」
昨日の事のように覚えている、あの特別な時間。
「……あぁ。此処は、少しも変わってないな」
魁さんも、あの日のことを思い出しているのか、懐かしそうに目を細めて建物を見上げた。
未だにクリスマス仕様のその場所は、5年前のクリスマスイブに私と魁さんが出会ったパーティー会場だった。