Wonderful DaysⅡ
「あんたの好みなんて、どうでもいいわよ」
そう吐き捨てると、ソファーを立ち上がって目の前に立ったアイリーンさん。
この時、彼女が誰なのかを思い出せていたら……と、自分の記憶力の無さを呪う事になるのはもう少し先の事。
「まぁ確かに、そこそこ美人なのは認めてあげるけど」
そこそこ美人って……一応、褒められているのかな?
こんな綺麗な人に褒められるなんて、何だか嬉しいかも。
アイリーンさんから頂いた、上から目線の褒め言葉に喜んでいれば
「そこそこ美人だって!? アイリーン……君、目が悪いんじゃないの? 彼女に失礼だよ!」
鼻息を荒げて抗議する男の人は、スッと流れるような動作で私の左手を取ると
「失礼なヤツでごめんね?」
なぜか、謝りながら握りしめてくる。