Wonderful DaysⅡ


「君は、本当に綺麗だよ?」


うっとりとした目で褒めてくれるこの人……

ハッキリ言って、手の感触が気持ち悪い。

咄嗟に投げ飛ばしてしまいそうになったけれど、ここが五つ星の最高級ホテルの中だと言う事を思い出して踏み止まる。

こんなところで騒ぎを起こしたら、魁さんとのデートが台無しになっちゃう。

マーク兄さんの耳に入ったら、それこそ最悪だ。


「……あの、手を……」


“離して下さい”

穏便に済まそうと、そう切り出したところで、ピタリと動きを止めた彼。



< 176 / 278 >

この作品をシェア

pagetop