Wonderful DaysⅡ
「……わ、悪かったよ!!」
私の背後で慌てて謝った彼に
「ホテルのロビーで助かったな。だが、二度目は無い」
しっかり警告をすると、親指を荒々しく突き放した。
「バカな弟が、ごめんなさいね」
張り詰めた空気の中、魁さんに謝罪の言葉を掛けたのは、私の前に居たアイリーンさんだった。
……え? この人、アイリーンさんの弟だったの!?
驚く私を腕に閉じ込めたまま、アイリーンさんを一瞥した魁さんは
「行くぞ、マリア」
それを無視して踵を返して歩き出した。