Wonderful DaysⅡ


え!? アイリーンさんを無視しちゃっていいの!?


「あ、あのっ……魁さん?」


困惑気味に声を掛けた私に、ちらりと視線を向けてきた魁さんは


「此処で、これ以上騒ぎ立てるわけにはいかないからな」


私にだけ聞こえる声で話すと、周囲に視線を流す。

つられるように見渡せば、近くに居たホテルマンと数人の宿泊客が何かあったのかと、こっちを見ていた。


「……あ」


「それに……」


「え?」


「あいつらの、お前を見る目が気にいらねぇ」


「……目?」


魁さんの言葉にちらりと後ろに視線を向ければ、ロビーを出る直前、笑顔のアイリーンさんと一瞬目が合った気がした。


< 180 / 278 >

この作品をシェア

pagetop