Wonderful DaysⅡ
え!? アイリーンさんを無視しちゃっていいの!?
「あ、あのっ……魁さん?」
困惑気味に声を掛けた私に、ちらりと視線を向けてきた魁さんは
「此処で、これ以上騒ぎ立てるわけにはいかないからな」
私にだけ聞こえる声で話すと、周囲に視線を流す。
つられるように見渡せば、近くに居たホテルマンと数人の宿泊客が何かあったのかと、こっちを見ていた。
「……あ」
「それに……」
「え?」
「あいつらの、お前を見る目が気にいらねぇ」
「……目?」
魁さんの言葉にちらりと後ろに視線を向ければ、ロビーを出る直前、笑顔のアイリーンさんと一瞬目が合った気がした。