Wonderful DaysⅡ
「……ありがとうございます」
椅子を引いて待っていてくれたウェイターに、お礼を言ってから腰を下ろした。
予約した時にコースの料理も注文していたのか、メニューを聞かれる事も無く、笑顔で去って行ったウェイター。
その後姿をボーっと見送っていれば、正面からはグサグサと突き刺さるような視線を感じる。
誰の?なんて、見なくてもわかりきっていて。
何で、そんなに私を見ているんですかね……魁さん?
「……はぁ」
ふと、聞こえた溜め息に気づいてちらりと見れば、頬杖をついて私を見据えるダークブラウンの双眸と視線が交わった。
何か言いたそうなその表情は、困ったような、納得いかないような複雑な表情をしていて……
「………………」
自分からは何を話せばいいのか分からなくて、取り敢えず魁さんをジッと見返すだけ。