Wonderful DaysⅡ


……いやいや。ダメでしょ、そんな事したら。


「でも、こんな高級ホテルでそんな事してマーク兄さんの耳にでも入ったら、楽しみにしていた魁さんとのデートがダメになっちゃうと思って……」


「………………」


そんな彼に自分の気持ちを伝えれば、急に無言になってしまう。


「あの……魁さん?」


ついていた頬杖から顔を離して、目を見開いている魁さんに声を掛ければ、見る見るうちに耳まで真っ赤になっていく。



「大丈夫ですか?」


様子を伺おうと覗き込んだ私の声でハッとした魁さんは


「……何でもない」


小さく呟くと、窓の外へと視線を逸らした。


「………………」


何でもないようには見えないくらい赤いんだけど……


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