Wonderful DaysⅡ
「………………」
私の言葉を聞いて無言で「は?」って顔をする魁さん。
そんな顔をされても、本当に兄さん達以外に褒められた記憶が無いんだから仕方が無い。
聞き慣れていたのは「ブス」やら「臭い」、「目障り」、「ダサい」、「地味」等々……
今、思い返しても散々な言われようだった。
私に向けられていたのは羨望の眼差しではなく、蔑みの眼。
兄さん達に褒めてもらえるのも妹だからであって、身内贔屓の口癖のようなものだし。
「それは、お前が知らないだけだ」
「………………」
私が知らないだけ? そんな事は無いと思うんだけど。
「どうした?」
顔を顰めてしまった私に、声を掛けてきた魁さん。
「いえ……」
私を褒めてくれる人がいるというその自信は、一体どこから来るのだろうか……