Wonderful DaysⅡ
「ふん」と鼻を鳴らして、パソコンの画面へと視線を戻した兄さん。
気づかれないように部屋を出ようと、そろりと一歩を踏み出そうとした時……
「……で? お前は、誰を向かわせているんだ?」
俺の行動なんてお見通しの兄さんからお声が掛かる。
「え……っと、グレゴリーとヴィクトルだけど……」
振り向いて答えれば、いつの間にか俺を見ていた兄さん。
「日本で一度、魁に撒かれているあの二人をつけたのか?」
「………………」
痛い所を突かれて、言葉が出ない。
……ってか、何でそんな事まで知ってるんだよ、この人は。
あれは日本であった出来事であって、誰も報告なんてしていない筈……だよな?