Wonderful DaysⅡ
「一度、失敗した者に同じターゲットを任せるなんて愚か者のする事だ。とっとと連絡を入れて連れ戻せ」
兄さんの言葉は尤もで、反論の余地も無いけれど
「でも、そんな事したら……」
二人きりにするなんて、色々な意味で危険すぎる。
そう、色々な意味で。
確かに、あの二人を選んだのは俺の人選ミスかもしれないけれど、いざと言う時の為の保険なのに……
「心配は無用だ。外はアーロン達が固めているし、クリブデンの中は魁に任せておけば問題無い」
兄さんには外部からの危険しか頭にないらしく、魁がマリアに手を出すのでは?という心配は一切していないらしい。
「違うよ、兄さん。俺が心配しているのは外部の人間よりも、むしろマリアの一番近くにいる魁なんだけど……」
「………………」
俺の言葉を聞いた兄さんは、無言で瞬きを数回繰り返すと、余裕のある笑みを浮かべる。