Wonderful DaysⅡ


その表情から、魁が手を出さないという確固たる信頼があるようで……


「兄さん?」


伺うように声を掛ければ


「その心配には及ばない」


やはり、同じような返事が返ってくるだけだった。


……そこまで全般的に、あいつを信用して大丈夫なのか?


クリブデンは、超が付くほどの最高級ホテルだ。

兄さん本人が予約を入れたのだとしたら、別格の待遇が受けられるはず。

「泊まりたい」と一言言えば、直ぐにでもスイートが用意されるだろう。


「そんなに、アイツを信用して大丈夫なの? マリアに手を出さないって言うその自信は、何処からくるのさ?」


そんな状況の中、自分の不安を口にすれば


「俺が魁なら、このイギリスで手を出すような軽率な行動はしない」


「はい?」


兄さんから返ってきた言葉に、目が点になる。


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