Wonderful DaysⅡ


「あの魁が、俺達の前で失態を犯すような真似をするわけがないだろう。魁は誤魔化す事が出来たとしても、あのマリアが俺達に隠し通せると思うか?」


「それは、そうだけど……」


確かに、あの魁が兄さんの前で失態を犯すとはとても思えない。

魁ならば、俺達に対するマリアの反応も簡単に予測できるだろうし、迂闊に手は出さないと言う事か。


「それに……」


「それに?」


一度、言葉を止めた兄さんに先を促せば


「マリアの“あれ”を見たら、少なからず魁も動揺するだろ」


続いて出てきた言葉に、俺達二人の表情は硬くなる。



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