Wonderful DaysⅡ
「え……やっぱり、行くつもりだったの?」
「クリブデンに行く前に、片付けなくてはならない案件があるが……夜には、合流出来るだろ」
俺の質問の返事は返ってこなかったが、その表情は「当たり前だろ」と言っていた。
……そうか。
仕事が終わらなかった兄さんは、元々後から行くつもりで、先にアーロン達を向かわせておいたのか。
「さっさと終わらせて、年末までゆっくりするぞ」
「ゆっくりって……そんな事、出来るの!?」
忙しい兄さんには有り得ない言葉で。
驚いた俺の顔を見て、意味あり気にニヤリと笑みを浮かべた。
「何の為に、休日返上で仕事をしていたと思っているんだ」
「………………」
この笑みの意味を知っている俺は、苦笑いするしかなかった。