Wonderful DaysⅡ
そんなテンション高めの私を押さえつけるように、魁さんの腕が私の体を固定していて。
それを見ていた運転手さんが「仲がいいねぇ」と微笑む。
その言葉に頬が熱くなるのを感じて、誤魔化すように通り過ぎていく景色に身を乗り出せば、頬を打つ風は凍てつくほど冷たい。
昨日まで雪が降っていたから当たり前なんだけど。
だけど、雪に覆われた景色とキラキラとした水面がとても綺麗で見入ってしまう。
「あれは、ホリデー用のコテージだよ」
説明をしてくれる運転手さんの指差す方へと視線を移すと、木々の間から姿を見せたのは煉瓦造りの建物だった。
「ホリデー用?」
「あぁ。今は寒いが、夏になれば最高の避暑地さ」
確かに。夏にこんなところで、のんびりと過ごせたら最高かもしれない。
───いいかも……
頭の中で、思わず妄想を繰り広げていれば
「じゃあ、今度は夏に来るか」
「はい!」
覗き込むように声を掛けてきた魁さんは、即答した私の返事を聞くと楽しそうに笑う。
同じように笑顔を返す私はと言うと……
また夏に魁さんと此処に来れると思えば、テンションは高くなる一方だった。