Wonderful DaysⅡ
魁さん、電話長過ぎじゃないだろうか。
どうしちゃったんだろう?
もしかして、マーク兄さんから何か言われてるのかな……
「……………………」
十分、有り得るから怖いんだけど。
まさか、私を置いて帰ったりなんてしてない……よね?
そんな事は無いって分かっているのに、一向に姿を見せない魁さんを待っていれば、頭の中では悪い方にばかり考えてしまう。
「お、お手洗いに行くついでに、様子を見に行ってみようかな……」
誰も居ない部屋で独り言を呟いて、魁さんを探しに行く理由を探す。
きょろきょろと部屋を見渡して、少し待ってみたけれど……
居ても立ってもいられなくなって、席を立とうとテーブルに手を着いた時だった。
カチャリ、と控え目に聞こえてきた扉を開ける音に視線を向ければ
「…………あ」
「遅くなって悪い」
待ち焦がれていた魁さんが、少し息を切らしながら入り口に立っていた。