Wonderful DaysⅡ
なのに……
「……………………」
「……………………」
言い方が怪しかったのか、私の言った事なんて全く信じていないらしい魁さんの視線がグサグサと突き刺さってくる。
あぁ……こんな事になるなら、あんなに食べなければよかった。
……いや、その前に。
お持ち帰りが出来るなら言ってよ、ウェイター!!
それが分かっていれば、こんなに無理して食べなかったのに……
「……………………」
無言で見下ろしてくる魁さんの視線が気になってチラリと様子を伺えば、未だにジッと私を見ているその視線に耐え切れなくて、きょろきょろと視線を彷徨わせる。
───お願いだから、そんなに見ないでください!!
挙動不審になった私に、眉間に皺を寄せた魁さんが何かを言おうとした時……
私の正面に見える入り口の扉から、コンコンと控えめにノックされた音が静かな部屋に響いた。