Wonderful DaysⅡ






「こちらから、どうぞ」


「ありがとう」


満面の笑みを浮かべて大きな扉の前で足を止めた男性に、感謝の言葉を伝えた魁さん。




あの後、プライベートルームを出て、案内されるままに歩いて来たのだけれど……

何処に行くのか気になった私は、隣を歩く魁さんに聞いたのに、微笑むだけで何も言ってくれなくて。


「…………………」


それに……
気になる事は、まだあった。

魁さんにエスコートされて部屋を出る時に、ちらりと見えたホテルマンの名札。

呼びに来てくれた、その人の胸に輝く金のプレートには【Genaral Manager(総支配人)】と書かれていて驚いた。

普通、総支配人が出て来る事なんて、あまり無いよね?


ホテル側のその対応から、さっき魁さんが言っていた“頼みごと”の事なんだろうと予想は出来たけれど……


流石に、その“頼みごと”の内容までは想像もつかなかった私は、開かれた扉の向こう側に見えたその景色に頭が真っ白になった─────────



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