Wonderful DaysⅡ
「この先、何があっても返品は受け付けないからな」
「……っ……」
二つ連なった婚約指輪を見て、満足そうに瞳を細めた魁さん。
結城家の正式な婚約指輪に負けず劣らず、キラキラと眩い光を放っている新しい指輪は、花の形を模したデザインで、とても可愛らしい。
でも……
「でも、どうして? もう、婚約指輪はもらっているのに……」
婚約指輪を二つ貰うなんて、聞いた事が無い。
「それは、結城家の婚約指輪だろ? 俺が選んだものじゃない」
「えっと……それは、つまり……」
「自分で選んだ指輪を渡したかったんだよ」
もう一度、指輪をくれた理由を、照れくさそうに教えてくれた魁さん。
「クリスマスプレゼントだと思って、貰っとけ」
婚約指輪を二つも貰ってしまっていいのかな?って思ったけれど。
「はい……ありがとうございます」
魁さんが私の為に選んでくれた事が嬉しくて、素直に受け取ることにした。