Wonderful DaysⅡ
絡めとられた左手。
その薬指で存在を主張する新しい指輪に、口づけを落とした魁さんは
「───約束」
私の瞳を、真っ直ぐに捉える。
「約束……?」
「あぁ、約束だ。高校を卒業したら、必ずお前を迎えに行く。
本当は、俺が誕生日を迎えたら直ぐにでも掻っ攫いたいくらいだけどな」
───かっ、掻っ攫いたい!?
ストレートな言葉に、益々熱を帯びてくる顔は熱くて仕方がない。
「でも……」
「でも?」
一度、言葉を区切って、ちらりとホテルの入り口に視線を向けて呟いた魁さん。
「あの人が、それを許してくれるとは思えないしな」
「あの人……?」
つられるように、魁さんの視線の先を辿って行けば……
「……げっ!!!」
ホテルの入り口で、仁王立ちしている人物に背筋が凍る。