Wonderful DaysⅡ
そう思ってはいても、マリアのあんな幸せそうな笑顔を見てしまったら、反対する事も出来やしない。
───くそっ!
まるで「これで、反対する理由は無いだろう?」と言わんばかりの魁の笑顔。
その爽やかな笑顔の下に見え隠れしている、無言の圧力に舌打ちした。
そして……
その後も続いた司教の説教など耳に入ってくるはずも無く、気づけばミサは終わりを告げ、俺達は足早に寺院を後にしていた。
「……………………」
本来ならば、ミサで心穏やかになっているはずなのに……
今の俺は、モヤモヤしたなんとも言えない気持ちに囚われていて。
こんなクリスマス・ミサは初めてだ。
だからだろうか。
本来ならば、誰かを引き止めたりした事がない俺が
「マリアの事ですから。家で大人しく寝ていろと言う方が無理です」
「ウチに来い。断る事は許さん」
魁のその言葉を聞いた瞬間、反射的に口から出ていたのは強制的な命令だった。