Wonderful DaysⅡ


乱れた様子もなく、きちんと服を着ていた事がせめてもの救いだが……

何でそんなに幸せそうな顔をして眠っているんだ、妹よ。

兄である俺やアル以外の傍で、安心しきっているマリアを見ていると、ひどく遣る瀬無い気持ちになってくる。



いつになく感傷的になっていれば


「…………あれ? ちゃんと、服着てる……?」


その様子を間近で見たアルの口からは、間抜けな声が零れ落ちて


「───当たり前でしょう」


それを耳にした魁からは、呆れた声が投げかけられた。


「何だ。お前は、起きてたのかよ」


「この状態で、眠れって方が無理です……」


魁のその言葉に、安堵の溜め息を吐いたのは言うまでもない。



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