Wonderful DaysⅡ
取り敢えず、お婆様に問い質す事を諦めて、アルからの電話に出る為に部屋を出る。
「Hello.」
『あ~、やっと、兄さんに繋がった……』
電話口のアルは繋がった安堵感からか、ホッと息を吐いていた。
「───それで?」
『魁に連絡ついたよ。アイツ、インフルエンザで寝込んでた』
「インフルエンザ……?」
思わず、眉間に皺が寄る。
やはり、世話になっていた間にマリアと接触していたという事か……
『……で、魁からの伝言なんだけど…────』
アルの口から告げられた、魁からの伝言の意味を悟る。
「そうか……わかった」
それを聞き終えた俺は、アルとの電話を終了させ、ゆっくりとした足取りでお婆様の居るリビングへと戻って行った。
──…手遅れになる前に……