Wonderful DaysⅡ






お屋敷に戻ってみれば、ランスロットさんの言った通り、お婆様の姿はなくて……


「マーク兄さん!!!」


一目散にマーク兄さんの居る部屋へと足を向けて、扉を開ければ


「マリア~!!」


嬉しそうに抱きついてきたのは、マーク兄さんではなくアル兄さん。


「会いたかったよ~」


「は~な~し~て~!」


グリグリと頬擦りしてくるアル兄さんを押し退けて、目の前で微笑むマーク兄さんに視線を向ける。


「おかえり、マリア」


「ただいま、マーク兄さん。じゃなくて!! 一体、どういう事なの!?」


私の剣幕に、瞳をぱちくりさせたマーク兄さん。


「何がだい?」


「何がだい? じゃなくて! イギリスに居る間は、ランスロットさんが私に付くって……」


私が何を言いたいのかを理解したのか「あぁ…」と呟くと


「お婆様は当分、この屋敷には戻って来ないからね。
そうなると、ランスロットが暇になってしまうからマリアの世話を頼んだんだよ」


それがどうした? と、言わんばかりに笑顔を見せた。



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