Wonderful DaysⅡ
「外は寒かっただろう? 今、温かい紅茶を入れるから、風呂の準備が出来るまで暖炉の前で体を温めていなさい」
「うん」
マーク兄さんに促されて、雪で濡れたコートを脱いでから暖炉の前に置かれていたソファーに座り、温かい毛布に包まった。
濡れたコートは、いつの間にか後ろに居たランスロットさんが素早く受け取ってくれる。
さすが、執事……と、感心してしまう。
「ふぅ…」と息を吐いて、メイドさんが紅茶を入れているのをボーっと見ていたのだけれど……
───あれ?
ふと気が付けば……今、紅茶の準備をしてくれているメイドさんは初めて見る人で。
いつものメイドさんよりも、かなり年配の人だった。
兄さん達は気にしていないのか何も言わないけれど、私は気になって仕方がない。
だって、公園に出掛ける前までは、いつものメイドさんが居たのに。
一瞬、お婆様について行ったのかと思ったけれど、執事のランスロットさんも連れて行かないのにメイドさんを連れて行くとも思えなかった。