Wonderful DaysⅡ


「お熱くなっておりますので、お気を付け下さい」


ソファー脇にある小さな丸テーブルに、温かい紅茶とクッキーを置いてくれたメイドさんが優しく微笑んでくれる。


「はっ、はいっ!」


メイドさんに笑顔を向けられた経験のない私は、初めての事に驚いて声が上擦ってしまった。

メイドさんに話し掛けられたの初めてなんですけど……


この屋敷で会話をしたのはランスロットさんくらいで、私が怪我をして戻って来た時にお世話をしてくれたメイドさんでさえ私と目も合わせてくれなかった。


「マリア。今日から、この屋敷でメイドをしてくれるアビー・マクスウェルさんだよ」


そんな私の疑問に答えるかのように声を掛けてきたのはアル兄さん。


「アビー・マクスウェルです。よろしくお願い致します」


礼儀正しく、お辞儀をするアビーさん。


「はいっ、こちらこそよろしくお願いします!」


思わず、ソファーの上で正座をしてお辞儀をする私。




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