Wonderful DaysⅡ
そこで、頭に浮かぶ疑問。
「あれ? でもさっきまで居た……メイドさんは?」
目線すら合わせた事のないメイドさんの名前なんて知る筈もなく、変なところで言葉が途切れる。
「あぁ、エイダなら元々、今日までの契約だったからね。今日付けで辞めたよ」
「そ、そうなんだ……」
あのメイドさん、エイダさんて言う名前だったんだ……
「そんな事よりも、温かい紅茶を飲んだらお風呂に入っておいで。上がったら、食事にするよ」
「あ、うん」
アビーさんの自然な笑顔に、ホッと息を吐く。
このお屋敷に来て初めて感じる温かい雰囲気に、肩の力がゆっくりと抜けていった。