Wonderful DaysⅡ
お、お風呂はまだ入らない方が良かったかも……
この雪が降り続く中で立っていると、体が深々と冷えてくる。
「うぅ~っ。ホッカイロが恋しい……」
寒過ぎて、湯冷めしそうだ。
イギリスの冬は日本よりもかなり寒いけれど、こっちの人はあまりホッカイロに馴染みがない。
その分、外出する時は厚くて重いコートを着て寒さを凌ぐんだけど……
重い分だけ、肩が凝る。
───あぁ、ホッカイロ……
そんな事を思っていれば
「まだ時間が掛かりますので、こちらをお持ち下さい」
そう言って後ろから差し出されたのは、私が今欲しいと呟いたホッカイロ。
「………………」
無言で振り向けば、ランスロットさんが笑顔で「どうぞ」と、渡してくる。
「……ありがとうございます」
既に熱くなっているそれは、いつから用意されていた物だったのだろうか……
完璧な執事様に、お礼を言って受け取った。