Wonderful DaysⅡ


「気分でも悪いのか?」


真剣な顔で尋ねてくるアル兄さんに


「う、ううん、違うよ。ちょっと、お手洗いに行きたくなっちゃって……」


心配を掛けたくなくて、誤魔化した。


「手洗い? じゃあ、まだ礼拝が始まるまで時間があるから、今のうちに行っておいた方がいいな」


腕時計に視線を向けながら話すアル兄さんに


「うん、そうする」


なんとか笑顔で返事をしてから、ゆっくりと立ち上がれば、マーク兄さんの目配せでスッと私の前後に立つ二人のボディーガード。

一人は長身の男の人で、元アメリカの海兵隊に所属していたジャックさんは迫力のある強面さん。

もう一人は、これまた長身の女の人で。

普通の男の人と比べても、遜色がない体格の持ち主のアニーさんは、私専属のボディーガードだ。


かなり目立つこの二人。

気づかれるんじゃないかと一瞬、ひやりとしたけれど、隣の男の人と話しをしている先輩に気づかれる事なくその場を離れる事が出来た。



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