Wonderful DaysⅡ
「……え? いいんですか?」
予想外の返事に、思わずランスロットさんの顔をマジマジと見てしまう。
「えぇ。本日は外出している人々も限られておりますし、ボディーガードも私も付いておりますから少しの間でしたら構いません」
「あ、ありがとうございます」
すぐに戻らなくていいと言ってくれたランスロットさんに、感謝の言葉を告げてホッと息を吐いたけれど
「それに……」
続いた言葉に息を呑む。
「あの中には、居たくなかったでしょうからね」
「え?」
「少し離れてはおりましたが、シーモア様もあの場にいらっしゃいました。マリア様のご心情を察すれば、同じ空間にいるのは耐え難いと思いますので」
「…っ……」
何て言っていいのかわからなくて言葉に詰まる。
ランスロットさんは、先輩に気づいていたんだ……