Wonderful DaysⅡ
その言葉を聞いたお婆様は事態が変わらないと判断したのか、それ以上口を開くことは無く、項垂れたまま警察に連行されて行った。
それを複雑な思いで見ていれば
「それから……」
再び口を開いたマーク兄さんは、座り込んだままの先輩へと視線を向ける。
「あれだけ制裁を加えられたのに、また同じ事を繰り返すのか?」
「……っ……!」
マーク兄さんの言葉に、青褪めていく先輩の顔。
「貴様には、マリアに対して接近禁止令が出ていた筈だが?」
「…だけ……私だけ不幸になって、この女が幸せに暮らしているなんてっ…!!!」
マーク兄さんを見ていた先輩は、私を睨むと指差しながら叫んだ。
その目の鋭さは以前の蔑むような目つきではなく、憎しみの篭ったものに変わっていて……
“怖い”
そう思えば、落ち着き始めていた体は再びビクリと震え出す。