Wonderful DaysⅡ
「さぁ、座って温かい紅茶でも飲みなさい」
何事もなかったかのように声を掛けるお婆様。
優しく聞こえるその声とは裏腹に、離れ際に交わった視線から感じるのは憎悪。
お婆様の瞳に込められたそれに、体がカタカタと震え始めた。
「あら、寒いのかしら? 震えているわよ?」
「あ…大丈夫……です」
何とか返事をしてその場を離れる。
「大丈夫か?」
ソファーに座っていた筈のマーク兄さんが、いつの間にか目の前に居て。
私を覗き込むように見てくるから
「あ、大丈夫……私、部屋に荷物置いてくるね」
それを誤魔化すようにリビングを後にした。