Wonderful DaysⅡ
聞かれた時に、どう答えようかと考えている私の顔は、きっと青褪めているに違いない。
そんな、私を余所に
「アーロン、アレクセイ、グレゴリー。お前達は、シーモアのボディーガードを拘束して連れて行け。シーモアとも休暇明けに片を付ける」
「Да(はい)」
マーク兄さんの命で、お婆様と一緒にいたボディーガード達を拘束していくアーロンさん達。
シーモアのボディーガードって事は、お婆様を守っていたのは先輩の家のボディーガードだったんだ……
そんな事を考えながらアーロンさん達の動きを見ていれば
「───マリア……」
不意に聞こえてきた、鼓膜を震わせる優しい響きに視線を向けると、どこまでも愛おしそうに私を見つめるダークブラウンの双眸と視線が交わった。
“とくん”
声にするよりも早く、私の心がその呼び掛けに答える。
「……はい」
やっと出た声は、掠れていて。
魁さんの瞳に映る私は、今にも泣き出しそうな情けない顔をしていた。