Wonderful DaysⅡ
「…………」
何も言わずに私を見ているランスロットさんだけど、内心では絶対に私と同じ事を思っている筈。
だけど、主に忠実なランスロットさんは次の言葉を待つように、マーク兄さんに視線を向ける。
「マーク兄さん。私、病院なんて行かないからね?
こんなのは、冷やしておけば大丈夫だから!」
大体、叩かれたくらいで病院に行く人なんていないでしょ……
ちょっとズレてるマーク兄さんに全力で否定をすれば
「───わかった……ならば、長居は無用だ。
早く帰って、患部を冷やした方がいい」
少し考えた後に溜め息を吐くと、さっさと帰ろうとする。
「これだけ寒ければ、冷やさなくても平気なんじゃない?」
そこに口を挟んできたのは、今まで黙っていたアル兄さんで。
「…………」
確かに、この寒さなら態々冷やさなくても勝手に冷えてくれそうだ。
うんうん。と同意するように頷いていれば、寺院の方から耳に届いてきたパイプオルガンの音。