Wonderful DaysⅡ


見なくても、それが何かなんてすぐにわかった。

ダークブラウンの瞳に捕らえられていた視線を、導かれるようにゆっくりと下げていけば、視界に飛び込んできた眩い光。

何年も私の胸元でキラキラと光り輝いていたそれは、存在を主張しながら私の薬指にピッタリと納まっていた。


「魁さん、これっ……」


「今度は、ピッタリだろ?」


悪戯っぽく笑う魁さんは、私の薬指に視線を落とすと満足そうに目を細める。

確かに…以前のようにクルクル回る事もなく、私の指のサイズに直されていた婚約指輪。


「直してくれたんですね……」


「あぁ。あのままじゃ、いつまで経っても嵌められないからな。何とか、今日に間に合って良かった」


「今日…ですか?」


私の問いに頷いた魁さんは、指輪に触れるだけの口付けを落とすと


「今日こそは、納得してもらわないと困りますからね」


そう言って、私の頭上を通り越した先にニッコリと満面の笑みを向けた。



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