Wonderful DaysⅡ
White Christmas Ⅱ
◇
(side:アルバート)
目を閉じて、聖歌隊の歌声に聴き入っていれば、途中で聞こえてきた話し声。
「…あの…魁さん、お誕生日おめでとうございます」
「……サンキュ」
歌を聴いている振りをして、気になる二人の会話に耳を傾けていた。
「あの、プレゼントなんですけど……」
小声で話すマリアの声に微笑ましく思っていれば
「プレゼントは、お前がいい」
ゆっくりと瞼を持ち上げたところで、聞こえてきた魁の言葉に思いっ切り振り向いた。
「魁さん、これっ……」
「今度は、ピッタリだろ?」
見れば、隣の兄さんも同じように反応していて、俺達二人の視線はマリアの左薬指に嵌められた指輪に釘付けになっていた。