Wonderful DaysⅡ
魁を見て、溜め息を吐いた兄さんは
「全く、無茶をする。」
「マリアの事ですから。家で大人しく寝ていろと言う方が無理です」
魁の言葉に、嬉しそうに口角を上げると
「ウチに来い。断る事は許さん」
強制的に魁を屋敷に招待した。
───あの、兄さんが!?
普段の兄さんからは、有り得ないその言葉。
それに驚いたのは、俺だけではなく……
「い、いいのっ!?」
マリアの驚く声が、兄さんに向けられた。
それに、にこりと笑みを浮かべて頷く兄さんは
「マリアの時にも、手厚い看護をしてもらっているからな。
今回は、ウチで手厚く看護してやろう」
なんだか、含みのある言葉を残してランスロットに車の用意を促す。
こうして兄の一言で、暫くの間、我が家に滞在する事になった魁だった。