Wonderful DaysⅡ
「それにしても……よく間に合ったな、魁のヤツ」
兄さん達と一緒にリビングで紅茶を飲んでいれば、ソファーで寛いでいたアル兄さんが口を開いた。
何の話をしているのかと、首を傾げて聞いていたけれど
「俺と電話で話していた時は、まだ家で寝込んでいた筈だ」
「その為の、ファーンボローだろ」
「……あぁ、そうか」
二人の会話に、入っていけない私。
「その為の…って?」
疑問を口にすれば、私に視線を向けたマーク兄さんが
「入国審査の厳しいヒースロー空港よりも、税関、検疫、保安検査を行っていないファーンボロー空港の方が早く入国出来るんだ。ジェット機内でパスポートチェックをしているから、体調が悪かった魁には丁度良かったと思うぞ」
わかり易く説明してくれたんだけど……
「何処の空港も、そうなんじゃないの?」
今まで、気にした事もなかった疑問が新しく浮かんできた。