Profession of the first and the last
僕は昔から小説を読むのだって
書くのだって好きだったから、
無意識に現実とは離れてしまってたのかもしれないな。
いつでも見えた。
みんなと自分の間にある、無機質な壁が。
僕がこうして言葉を紡いでいくこの瞬間も、
文字にしたもの全てが形となって見えた。
こんな性格だからさ、余計に色濃く見えちゃうんだよな。
もしかしたら僕は、
執筆をしないほうがいいのかもしれない、なんて思うんだ。
だって自分の中の世界がこんなにも広がっていってるのは、
今まで文字として残してきた物語の全てがあるからなんだし、ね。
後ろ向きで、どうしようもないこの性格を
変えたいと僕は何度も願った。
みんなのように明るくて、
個性のある人でありたいと願ったんだ。
そういう願いを全部、小説の中に詰め込んできた。
だけどそうすればするほど、
その願いからは遠ざかっていったんだ。
きっと、これからも
僕のこの性格は変わることはないんだろうな。
それでも、みんなは僕を見放さないでいてくれるだろうか。