童話曇灯-fairytale detective-
 「不安がはありますが……。頼まれたお仕事ですもの。きちんとやりましょう!」


「あぁ。考えたくはないが、引き受けなかったら俺等は退学だしな。
とりあえず、まずは安出泉の情報を固めるぞ」


「そうですわね!」


「友人、恋人、成績、秘密、……俺に逆らえなくなるくらい、全部調べ上げてやる」



にやりと口元を歪める王輝の視線は、いつの間にか資料に戻っていた。


王輝の怪しげなオーラを感じ取ったのか、姫羅の眉間にぐっとしわが寄る。



「安出泉の件は、急を要するらしい」



そう言って資料を手に取ると、王輝は近くにあるパソコンの方へ向かった。


設置されているパソコンは、持ち運びのことも考えて薄いノート型のものにしてある。



「今日はもう遅いし、ここで作戦練るか。俺は外泊も平気だけど、そっちは?」


「乙戯花氏の名前を出せば、問題ないと思いますが……。ゆっくりしている時間はない、ということですのね?」


「あぁ。こんなことでクビになってたまるかっての」



パソコンに向かう王輝に背を向けて、姫羅は家へ連絡を入れた。



「安出泉さんと彼女の周りにいらっしゃる方への聞き込みと観察……」



連絡を終えた姫羅は、1人で作業をする王輝に少しだけ視線を送ってから、キッチンに向かった。



規則正しく包丁を動かしながら、ぼんやりと考え事をする。



ご友人でも解決できなかったスランプを、無関係のあたくし達に解決できるのでしょうか……――――



「おい」
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