童話曇灯-fairytale detective-
「ありえませんわ!それは女性への侮辱ですか?」
「変な言い掛かりはやめろよ
水着の注文記録とか身体測定の情報とか、いろいろハッキングしてたら自然に出てきただけだ」
「は、ハッキング!? 王輝!それは犯罪ですわよ!」
どうしてそのようなことができるのでしょうか……―――――
目を見開く姫羅の向かいで、王輝が面倒臭そうに話を進めた。
「いい加減にしてくれ。確かにこれを自分の趣味でやってたら問題かもしれないが、俺にはそんな趣味はない。
それに、こうやって学園内のデータを探られることを承知で乙戯花氏達は王姫の仕事を頼んできたんだろ?
そう考えれば、俺のやったことは犯罪でも何でもない。もっと言えば、こんなにも簡単に探られるような場所に情報を放置しておく方が悪い」
「しかし、万が一この情報が公になってしまえば……」
「そう考えることこそ時間の無駄だ。
この情報を管理するのは俺だぞ。俺は、情報を漏らすような稚拙なことはしない」
姫羅に反論させるつもりがなかったんだろう。
王輝は、畳み掛けるように言葉を繋げた。
「スリーサイズを調べたことが気に入らないなら、別に次からは見つけても知らせないようにする。
そもそも、姫羅の目には、俺が勝手に出てきたスリーサイズの情報に興奮するようなバカに見えるのかよ?心外だな」
不満を一気に吐き出されて、姫羅は思わず眉間にしわを寄せた。
「まぁ、それ以前に、安出泉は俺のタイプじゃないしな」
「会ったことのない方にそう言われてしまっては、安出さんが気の毒です」
「…………で、話を続けても問題はないか?」