女達の戯言
女は意を決した様に一杯目の生中を一気に飲み干すと男を呼んだ。そして男に向かって目一杯の笑顔を添えて言う。









「生中お代わりとあ・な・た・を頂戴っ!」




















「・・・・・・・・・・」




喜べよ!そこ、普通に喜べよっ!




と、女は心の中で繰り返す。そして動揺を悟られまいと何事もなかったかのように女がまた煙草に火をつけるとーーー


「店、上がったらお前をたっぷり喜ばせてやっから。」


男は女の耳元でそっと、そう言うと店の奥に消えて行った。女はニヤける顔を店主に見られぬように、ゆっくりと吸い込んだ煙草の煙を吐き出した。







『喜ぶ女』



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